インドネシア独楽(コマ)展の予定
インドネシア各地のコマ。右端の色コマは、中部ジャワのクブメンからやってきました。米倉に吊るして豊かな収穫を願うお守りや、結婚式の晴天を祈るお守りとして使われています。(モデルは、カリマンタン島のダヤク民族伝統衣装を身に付けた伊藤紗世さん)
インドネシア文化宮(GBI)では、2006年12月16日(土)~12月29日(金)、インドネシア全土から集めたコマを紹介する『インドネシア独楽(コマ)展』を計画しています。インドネシアは、実は知られざる“コマ大国”なのです。西端のアチェから東端のパプアまで、豊かなコマ文化が息づいています。特に、カリマンタン(ボルネオ)に暮らすダヤク民族は、鉄木(アイロンウッド)製の、非常に重たいコマを大人が楽しむ社会なのです。それも競技形式で行われます。雨季の終わりの季節に毎年行われる大会では、主に回転タイムを競います。
また、スマトラ島の、マラッカ海峡に面したリアウ州ブンカリス県では、海峡を越えてマレーシアやシンガポールからも“コマ達人”が集まる、国際大会さえ催されています。そして、首都ジャカルタでは昨年8月、第一回目のコマ展示会も開催されました。
インドネシアのコマの特徴は、国の“多様性”同様に、その素材が非常にバラエティに富んでいることです。木製でも、ものすごく硬い鉄木に始まり、柔らかい白木や、アカシア、そして椰子やマホガニ、そしてチークまで多種多様に渡っています。それから竹製、石製、そして動物の骨を用いた物や、木の実を応用したものもあります。
遊び方もまちまち。回転時間を競うものから、相手方のコマに当てたり、回転をストップさせたりする形態があります。そして回転方法にも趣向が凝らされています。ヒモで回す一般的な方法から、両手で回す方式、そして、究極は、綱引きに使うような長い綱を用いるものまで、地域とコマの形状によって、色々な方法が見られます。
インドネシア文化宮は、数年前から、コツコツと、インドネシア全土からのコマ収集をスタートさせました。今回展示するコマは、スマトラ島からは、北端のアチェ州、そして北スマトラ州、リアウ州、ランプン州、そしてジャワ島全土、さらにはカリマンタン島やNTT(東ヌサトゥンガラ)州、そしてスラウェシ島やアンボンなどからやってきた“回転文化”です。ご期待ください。

カリマンタン島のダヤク民族のコマです。鉄木製で、重さはなんと7.2kg。直径は約39.5cm、最大厚みは約12cm。両手で回転させ、回転時間を競います。


まるで“円盤”!

カリマンタン島のダヤク民族のコマです。鉄木製。重さは約6kg。直径は約25cm、最大厚みは約21cm。

左はジャワ島の古都ジョグジャカルタのコマで、竹製です。本体の長さが約9.5cm、直径が約9cm、重さはおよそ150グラム。右は、スマトラ島リアウ州ブンカリス県のコマです。直径が約13.5cm、最大厚みが約10.5cm、重さはおよそ430グラム。底部に、円形の金具が埋め込まれています。

ブタウィ(ジャカルタ近辺)のコマです。台座まで付いています。本体の高さが約30cm(台座を含めると約48cm)、最大直径が約14.5cm、重さが約1.3kg。
(参考画像)
2006年8月、スマトラ島最南端のランプン州で開催された『インドネシア全土の伝統スポーツ大会』で展示された“インドネシアで最も重いコマ”。2003年12月、インドネシア版ギネス機関である「MURI(インドネシア記録博物館)」によって認定された。スマトラ島の南東沖に位置するバンカブリトン(Bangka Belitung)州で作られた。高さと直径は約70cm。重さは140kg。綱引き用の長い綱で引っ張って回転させます。

この記事へのコメント