第6回アロール・エキスポ情報(Expo Alor ke-VI)
インドネシア文化宮(GBI)が、2002年から“島興し”プロジェクトとしてNTT(東ヌサトゥンガラ州)のアロール県政府と共催している「Alor Expo」も今年で6回目を迎えます。2007年アロール・エキスポは、2007年8月4日(土)~ 8日(水)の五日間を予定しています。今年のメインテーマは「竹」。豊富な竹資源を“島興し”にどう活かしていくのか、が各地町村間の競技形式で実施されます。また、オーストラリアのダーウィンを始点に、インドネシアを横断するヨットレース『Sail Indonesia 2007』の参加艇約100隻も、同時期、アロール島のカラバヒ(県都)に立ち寄り、県大文化祭に国際色豊かな賑わいを加えてくれます。
アロール県の“躍進ぶり”は、エキスポ規模の急拡大と共に、ここ数年間、NTT州他県の熱い視線を集めています。NTT内で最貧県と言われ続けてきたアロール県は、文化を機軸に据えたエキスポによって、伝統イカット(絣)やソンケット(縫取り織り)などのテキスタイル文化を国際マーケットに押し出し、また国内初の県立博物館の設立は、アロール人としての県民アイデンティの再確認と定着にとって大きな原動力となりました。
Gerbadestan(Gerakan Kembali pada Desa dan Pertanian・農業農村復帰運動)をモットーに“離島興し”を進めるアンス・タカラペタ(Ans Takalapeta)県知事は、独創的なエキスポ活動と、ゲルバデスタン運動とによってかつて無名に近かったアロール県の存在を、国内外で高め、一方で地域の社会・経済・文化の発展に多大な貢献をしたことを評価され、2006年にはベスト県知事賞でもある「Leadership Award」を受賞しました。
GBIでは例年通り、ツアーを組む予定はありませんが、情報の提供に応じます。過去最大規模となる、“海のユートピア”アロールへ出かけてみませんか?
インドネシア文化宮(GBI)とアロール県政府との“島興し”プロジェクトの歴史は下記のようになります。
2002年4月30日~5月2日:第一回アロール県エキスポ(Expo Alor)
2002年7月6日~11月9日:東京で『アロール県伝統イカット展』
2003年4月29日~5月2日:第二回アロール県エキスポ
2003年7月26日~11月28日:東京で『アロール県伝統ソンケット展』
2004年8月2日~8月6日:第三回アロール県エキスポ&フラボモラ大文化祭
2005年8月4日~8月7日:第四回アロール県エキスポ
2006年5月20日~7月22日:東京で『アロール島児童絵画展』
2006年8月3日~8月7日:第五回アロール県エキスポ
2007年8月4日~8月8日:第六回アロール県エキスポ
2006年の第五回アロールエキスポ開会式の様子。全島、全町村から県民が県都に集まり、伝統文化に酔いしれる一大文化イベント。
第6回アロール県エキスポに参加するには?
《場所》 NTT州アロール県の県都カラバヒ(Kalabahi)
《交通手段》 バリ島から飛行機で約1時間20分のクーパンで別便に乗り換えて約45分でカラバヒ着。日程的に最もお薦めのスケジュールは、まず8月4日(土)に、バリ島からティモール島のクーパンまで行きます。バリ島(デンパサール)からクーパンは、毎日出ているメルパティ(Merpati)航空MZ-644便で、11:10発、12:40着です。この他、ジャカルタやスラバヤからは、バタヴィア(Batavia)航空、スリウジャヤ(Sriwijaya)航空、ライオン・エアー(Lion Air)なども就航しています。
クーパンからアロール島の県都カラバヒまではメルパティ航空が、水曜日には12:45発、13:45着、金曜日には13:45発、14:45着、日曜日には11:55発、12:45着で飛んでいます。航空機は同じ曜日に、カラバヒからクーパンに戻ります。また、地元の航空会社であるTrans Nusa(Trigana Airの機体を使用)は、月曜、木曜に、TGN-303便で、13:45発、14:40着、火曜と土曜にTGN-501便で、9:20発、10:05着、日曜にはTGN-503便で、16:00発、16:45着の便をそれぞれ就航させています。
ちなみに、今回の第6回アロール・エキスポの開会式に間に合うように、アロール県政府は、Trans Nusaと交渉した結果、8月4日(土)に、デンパサールからクーパンにやってくるメルパティ便(MZ-644)の到着に合わせて、クーパンから県都カラバヒまでのエキストラフライトを就航させることになりました。従って8月4日にバリ島を発ち、同日夕刻に始まるエキスポの開会式に参加することができます。
今年のエキスポは第6回目ということもあり、以前にも増して大規模な文化イベントが計画されています。振り返りますと、五年前、地方自治の向上の波に乗り、まずは村の女性たちの掌にある能力、つまりイカット(絣織り)産業の復興を機に、それまでインドネシア国内でさえ余り知られていなかった、小さな島々からなるアロール県を世に打ち出そう、との想いからスタートしたプロジェクトでした。伝統イカット・コンテストを核に始まったエキスポも今では、名実ともに全県挙げての大文化&スポーツ大会に成長しました。2007年エキスポの詳細は以下の通りです。
1:各村・各郡単位の伝統衣装をまとったパレード
2:ゲルバデスタン『Gerbadestan=Gerakan Membangun Desa dan Pertanian(村落農業開発運動)』展示会。アンス・タカラペタ県知事が公約に掲げて勧めている運動が目指す四つのアジェンダは、大衆経済の興隆、人材の質的向上、地域差のないインフラの整備、各種インスティテューションの強化。
3:手工芸品ジャンボリー(手紡ぎ糸作りコンテスト、自然染料100色を目指す染色コンテスト、イカット=絣織り作りコンテストなど)
4:セミナー(地方自治の実績と未来像をテーマ)
5:フロバモラ地域(フローレス、スンバ、ティモール、アロール)の伝統織布展示会
6:染色教室(島外から来た国内外の観光客を対象)
7:各村の大木コンテスト(自然保護と地球環境を念頭に)
8:弓矢競技大会
9:第三回Miss.アロール(Putri Alor)&Mr.Alor(Putra Alor)コンテスト
10:各郡・各村の文化伝統芸術公演
11:Sail Indonesiaに参加する世界各国のヨット愛好家が県都に集結。歓迎式典
12:世界から集まった観光客を対象に観光スポット巡り
13:日本・アロール友好イベント(折り紙教室)
16:日本・アロール友好イベント(日本の竹製品展示会)
17:日本・アロール友好イベント(日本語会話講座)
アロールのイカットは、総手紡ぎ糸と使い、総自然色染めを目指しています。長年のエキスポでのコンテストを通じて、今では約100種の自然色が誕生しています。
伝統村の一つであるタプカラ村。アロールで生まれたレゴレゴ・ダンスの輪に加わりませんか?
今年のエキスポには、インドネシアの若手デザイナーを代表するオスカル・ラワラタさんがやってきます。アロール産の自然色染めのイカット生地を用いて、モダンなファッションに変身させます。いつもは首都ジャカルタや海外主要都市でファションショーを行っているオスカルさん。果たしてアロールの小島でどんなファッションを披露してくれるのでしょうか?オスカルさんは創作のインスピレーションを求めて、すでに7月上旬、アロール島を訪れ、イカットを織る女性たちと交流してきました。第6回アロール・エキスポでは地元選出のモデルさんたちがオスカル・イカット・ファッションの世界を演出します。
《備考》 GBIではツアーを組む予定はありませんが、情報提供に応じます。
《問合わせ》 インドネシア文化宮(GBI) okawa@mxg.mesh.ne.jp
「じゃかるた新聞」は、2007年7月28日付け紙面で、第6回アロール県エキスポに関して以下の記事を掲載。同紙は、2002年に開催された第1回アロール県エキスポを総合取材。5回にわたり「アロール島探訪紀」を掲載している。
「じゃかるた新聞」2007年7月28日(土)付け第2604号
来月にエキスポ開催 東ヌサトゥンガラ州アロール県 有名デザイナーも訪問
ティモール島の北側に浮かぶ島々で構成される東ヌサトゥンガラ(NTT)州アロール県は来月4日(土)─8日(水)、東京のインドネシア文化宮(GBI、大川誠一代表)と共催し、県都のカラバイで6回目となる文化の祭典「アロール・エキスポ」を開催する。
今年のエキスポは、「竹」をテーマに、アロールの豊富な竹資源を「島おこし」にどう生かしていくかのコンテストを各町村間の競技形式で実施。そのほかにも伝統衣装をまとったパレード、手紡ぎ糸造りコンテストや自然染料の染色コンテストなどの手工芸品ジャンボリー、国内外の観光客を対象とした染色教室、日本・アロール友好イベントの折り紙教室や日本の竹製品展示会などが行われる。
また、エキスポに合わせ、著名若手デザイナーのオスカル・ラワラタさんがアロール入り。すでに現地でイカット織りの女性たちと交流してきたオスカルさんは、エキスポで地元のイカット生地を用いた作品を披露する予定だ。
地方分権化の時代となり、各地方自治体がさまざまなアイデアで観光客や投資の誘致を図る中、アロール県は、エキスポを通じ、手織りのイカット(絣織り)やベトナムのドンソン文化が起源とされるモコ(銅鼓)など多様な文化をアピール。県民が自身の文化に誇りを持つきっかけを作るとともに、内外から多くの観光客を誘致、世界でも有数の透明度を誇る海として、ダイバーの注目も集めるようになった。
エキスポ活動と農業農村復帰運動を通じ、州内外の注目を集めるようになったアロール県のアンス・タカラペタ知事は、2006年には国内の最優秀県知事賞を受賞、NTT州の最貧県ともいわれた同県の地位を一気に押し上げた。
GBIでは、ツアーを組む予定はないが、情報提供に応じている。交通手段などの詳細はブログ(grahabudayaindonesia.at.webry.info/)、問い合わせは大川さん(メールokawa@mxg.mesh.ne.jp)まで。
じゃかるた新聞URL
http://www.jakartashimbun.com/
「アロール島探訪」シリーズ記事
2002年5月28日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(1) 海辺で紡ぐイカット 伝統手法で民力向上
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor01.html
2002年5月29日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(2) 連帯感を生む踊り 木に繋がれたブタ
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor02.html
2002年5月30日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(3) ダイバー憧れのサンゴ礁 海の男が差し出す魚と酒
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor03.html
2002年5月31日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(4) 海を渡ってきた銅鼓 今も生活に溶け込む
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor04.html
2002年6月1日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(5) 島の文化を全国に宣伝 村へ戻ろう運動を展開
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor05.html
【参考ブログ】
アロール県がタマンミニにパビリオンをオープン
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200704article_4.html
Mr.おじいさん&Mrs.おばあさんコンテスト
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200611article_5.html
アロール島でミスコンを主催
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200611article_4.html
世界で二番目に美しい海中公園アロール島
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200611article_3.html
第5回アロール・エキスポで日本の絣&着物を展示
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_7.html
第5回アロール・エキスポで寿司を握る
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_6.html
アロール島事典(日本語): http://alor.hp.infoseek.co.jp/
アロール県Website(英イ語): http://www.alor-island.com/
インドネシア文化宮:http://clik.to/GBI
オスカル・ラワラタさんが首都ジャカルタに新ブティックをオープン予定
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200702article_1.html
アジア発最新ファッション
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200612article_6.html
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