西スラウェシの伝統船サンデックで黒潮海道を航海

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アウトリガー・カヌー冒険家の山本良行さんが、7月27日、インドネシア人”冒険家”三名と共にインドネシア文化宮(GBI)を訪れた。山本さんたちは、スラウェシ島の西スラウェシ州の伝統船である、ダブルアウトリガーのサンデック(Sandeq)に乗り、二ヶ月と十日を費やし、黒潮に沿って、およそ5,000kmの大航海を成功させた。「古代船を復元し、古代と同じ方法で黒潮海道を縦断しました」と山本さん。「彼ら三名のインドネシア人の勇気を称えてください」とも。


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サンデック(Sandeq)は西スラウェシ州のマンダール民族に伝わる、アウトリガーが左右双方に装着された帆船。地元では一般的にアウトリガーが二つ付いた船をセマン船と呼ぶそうだ。セマンとはアウトリガーを指す。またマンダール語ではパラトとも呼称する。そしてこの竹製のアウトリガーを装着し、スシロ大統領から“Sandeq Explorer”と命名された長さ約16.7m、幅約1.27mのアウトリガー・カヌーで、山本さんたちは5月9日にマジェネ(Majene)港を出発、7月20日、名古屋港に到着した。「6月25日のことですが、沖縄県の読谷村近くの残波岬沖で、突然ダウンバースト(Downburst・積乱雲の雲底から冷気が下向きに噴出すことによって起こる噴流)に襲われ、船があっという間にひっくり返ってしまいました。予想外の出来事でした」と山本さん。
同船は現在、名古屋港に係留中だが、近い将来、恒久的な展示場に移動予定だという。また、今回の航海記録は、民放テレビでも放映が予定されているそうだ。



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スラウェシ島の「トラジャ絵画展」が開催中のインドネシア文化宮で。左からジェジャさん、マルクスさん、アンハールさん、そして船長の山本良行さん。


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【山本良行・Yoshiyuki Yamamoto さんのプロフィール】

◎船長、アウトリガー・カヌー冒険家 アジアの「船と航海」の歴史を
アジア人の視点で再発見していくことをテーマに、失われた古代船を復元し、
実験航海を実践してきた。

●1977年「竹筏ヤム号(17m×5m)黒潮漂流実験」フィリピン→鹿児島。
● 8 4 年「アウトリガー・カヌーによる航海実験」(7m×1.4m)ジャカルタ
→ニアス島間2,000㎞(単独)。
●87年「インド洋単独航海」(14m×1.4m) 。インドネシア→シンガポール→
モルジブ→ソマリヤ間約7,500㎞(単独)。
●90年「バンダ海深検航海」TBS・新世界紀行「光と風と波」で放送
(レポーターとして出演)。
●91年「アジア最古の帆船復元および実験公開」(25m×5m) 。
インドネシア→フィリピン→沖縄→鹿児島→東京。
●95年インドネシア独立50周年イベントに参加(17m×2m) 。インドネシア
→ジャカルタ→シンガポール。
●97年、アドベンチャーズ・ラボ設立
●2005年5月~06年8月。距離40,000㎞、実走行距離7,000㎞。



【インドネシア人クルーのプロフィール】


船長:アンハール(Anhar)。1977年8月17日、西スラウェシ州ポレワリ・ママサ県のパンブスアン(Pambusuang)村生まれ。同村は、その昔よりサンデックの故郷として知られている。

乗組員:マルクス・パナングン(Markus Pananggung)さん。59歳。北スラウェシ州のサンギヘ(Sangihe)生まれ。

乗組員:ジェジャ(Jeja)さん。1960年12月31日、西スラウェシ州ポレワリ・ママサ県のパンブスアン(Pambusuang)村生まれ。今回の冒険行で使われたサンデックの造船を担当。



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【画像提供】 ファーストコネクション㈱


【参考URL】


縄文黒潮海道ホームページ
https://bblog.sso.biglobe.ne.jp/ap/tool/newsedit.do

縄文黒潮海道
http://e-amo.net/roman/index.html

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