ヌサンタラ・テキスタイル展(Pameran Tekstil Nusantara)

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日本・インドネシア国交樹立50周年記念文化イベントとして開催された『ロテ島&サヴ島伝統イカット展』に次ぐ、日イ友好年記念文化イベントの第二弾は、インドネシア全土のテキスタイル文化に焦点を当てます。インドネシア文化宮(GBI)では、2002年11月~2003年3月『インドネシアン・テキスタイル展』と題して、西端のアチェ州から東端のパプア(旧イリアンジャヤ)州までを網羅するインドネシア各地の伝統テキスタイルを一堂に集めた展示会を実施しました。
あれから五年、GBIのコレクションはさらに充実してきました。今回は、さらに対象地域を広げ、インドネシアのテキスタイル文化の、民族色溢れる、その多様性の世界に触れてみたいと思います。日本の絣の原点でもあるイカット文化。そして豪華絢爛のソンケット文化。この二つのテキスタイル文化を軸に、絞り染め、ろうけつ染め、刺繍布など各地の布文化、さらには、結婚衣装や盛装コスチュームなども展示されます。この展示会を通じて、古来、日本とインドネシアとを繋ぐ“赤い糸”のテキスタイル文化交流史を回顧します。


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展示の光景

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名称】  ヌサンタラ・テキスタイル展(Pameran Budaya Tekstil Se-Nusantara)
期間】  2008年4月12日(土)~6月14日(土)11:00-18:00 但し日曜並びに第一(6月7日)&第三土曜日(4月19日・5月17日)はお休みです。
尚、ゴールデンウィーク中は、4月29日は閉めますが、5月3日(土)、5月5日(月)、そして5月6日(火)はオープンします。また、雨天などの悪天候の日は、事前予告無しに閉める場合があります。
展示品】 インドネシア全土のイカット&ソンケット。バティック&絞り染め&刺繍布など計100点。
主催】  インドネシア文化宮
後援】  外務省(日本インドネシア友好年事業認定)、じゃかるた新聞、メトロTV東京支局
【場所】  インドネシア文化宮(GBI) JR高田馬場駅より徒歩約6分。東京富士大学図書館前正門の向かい側のビル1階(添付地図参照)
入場】  無料



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外務省作成の日本インドネシア友好年2008のパンフ


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西カリマンタン・イカット古布


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スンバ島のイカット



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東ジャワ・トゥバンのロクチャ古布バティック


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中ジャワ・プカロンガンのバティック



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西ジャワ・シレボンのバティック


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西スマトラ・ミナンカバウの刺繍布


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西ジャワ・ガルットのバティック


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Kain India Matahari(インドの太陽)と呼称される、インドにそのモチーフの端を持つ、中部スラウウェシの布。かつて結婚式場の壁飾り用の布として使用されていました。サイズは、約217 X 242cm。これは古布のモチーフを忠実に再生・復刻した新しい布


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バリ島のダブルイカット「グリンシン」


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バリ・ヒンズーが独特の文化を生み出す、俗称“Pulau Dewata(神の島)”のバリ島。今でこそ、どの家にもあるとは言えませんが、バリの旧家の多くでは、応接間や客室に、大きなラーマヤーナ図のタペストリーを飾ることが一般的でした。地元で「イデル・イデル(ider-ider)」(もしくはTirai Bali(バリのカーテンの意)と呼ばれる、縦横約119cmのタペストリーです。およそ50年前に作られたものです。ラーマヤーナ物語を再現した刺繍図が見事です。裏側には、スバギと呼ばれる、スマトラ島南部の布が縫い付けてあります。それは補強用に付けたものですが、スバギ自体、大変珍しい布です。


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東ジャワ・マドゥラ島のイカット古布


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南スラウェシのシルク製イカット


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西スラウェシ・ママサの古布復刻版(シリの葉)。Kain Sirih(シリ布)、モチーフは、シリの葉。サイズは、約80 X 240cm。古布のモチーフを忠実に再生・復刻した新しい布


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マルク州タニンバル諸島のイカット


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東カリマンタン州の植物繊維ドヨ製のイカット


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西ティモールのイカット古布


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スマトラ島ランプン州のタピス古布


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アチェ州ガヨ民族の伝統刺繍布


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北スマトラ・バタック民族の伝統布ウロス


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インドを原産とするパトラ(Patola)布は、絹を素材とした経緯絣(ダブルイカット)です。インドのテキスタイル文化の影響を強く受けたインドネシアには、推定で16世紀以降にインドから渡来したパトラ布が特に、東部インドネシア地域に入っていきました。主に、貴族階級の婦人たちが好んで入手し、また一部地域では宗教儀式にも用いられたとされています。 現在では、博物館や一部のアンティーくショップでのみ見ることができる貴重な伝来布です。上の画像は、西ティモールのクーパン在住の布コレクターが長年所蔵してきたインド渡りのパトラです。推定で100-150年前に渡ってきたものです。かなり傷んでいますが、その茜の色彩はいまだにビビッドで、精緻な花柄モチーフも見事です。なによりもその大きなサイズが感動的です。サイズは、幅が約110cm、長さが約464cm。フリンジ部分は各々約4cm。


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2003年に行われた『インドネシアン・テキスタイル展』の光景



【JR高田馬場駅からGBIまでの道順・地図】








【参考ブログ】


インドネシア文化宮活動記録
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_2.html

インドネシア文化宮活動記録(インドネシア語)Kegiatan GBI
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_4.html

インドネシア文化宮2007年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2007)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200712article_2.html

インドネシア文化宮2006年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2006)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200612article_8.html

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