アロール島で潜る(9) Diving di Pulau Alor & Pantar, NTT(9)
アロール島(Pulau Alor)とパンタール島(Pulau Pantar)の間、アロール島の西端部の沖合に小さな島がある。ケパ島(Pulau Kepa)だ。ここには、フランス人一家が経営するダイビングリゾートがある。このアロール本島のアロール・クチール(Alor Kecil)村とケパ島の間の細い水路がケパ海峡(Selat Kepa)。そしてこのケパ海峡が“アロール県七不思議の一つ”とも言われる奇妙な自然現象を起こす場所だ。ずっと昔から毎年起きていた現象だが、昨年初めてビデオに録画された。これには携帯電話網の普及が大いに貢献している。というのも、携帯電話のアンテナ塔が、アロール・クチール村に設置される前は、この怪奇現象が起きても、いち早く県都のカラバヒ(Kalabahi)に伝える方法がなかった。また、今ではアスファルト道路だが、かつては土と石の凸凹道しかなかった。県都の人々は、県庁職員を含めて、ケパ海峡で起きる“アルス・ディギィン(Arus Dingin:冷たい潮の流れ)”に伴う、大量の魚の気絶現象を人づてに聞いてはいたが、直接目撃することはめったになかった。
2007年2月20~22日に起きたアルス・ディギィン現象は、初めて県広報課によってビデオ撮影され、また、翌日州都のクーパンから飛行機で駆け付けたTVRI(インドネシア国営テレビ局)の取材チームによっても記録された。アロール・クチール村の古老によれば、この現象は、毎年二回起こる。雨期明け・乾期入りの2月~3月、そして乾期が終わり雨期入りの9月~10月頃だ。共に新月の前後、そして満潮時に起こるという。現象はたいてい2~3日間続き、一日平均2~3時間にわたって起こる。かつては、五日間も続いたことがあり、また急に襲う冷海水で亡くなった漁師がいたとも。
目視できる速い潮の流れ。そしてどこからともなく集まる鳥たち。そしてイルカの集合。これらがケパ海峡怪奇現象の兆候だ。毎年恒例のアルス・ディギィンを村人たちは心待ちにしている。小魚が痺れたような姿で、身動きできなくなり、海面に浮いてくると、浜はまさにパニック。手に手に、自宅からバケツやたらい、そして鍋やビニール袋などを持って村人が殺到する。投網やたもを持ってカヌーに乗り込む人も少なくない。カヌーの内側もすくった魚の置場。手ぶらでやってきた子供たちや若い女性たちは、着ているTシャツの内側に魚を放り込む。アロール県には、まだまだ怪奇現象がたくさんある。まさに“不思議の島”なのだ。いずれ、それらを紹介したい。
以下の画像はアロール県政府広報課が撮影したビデオからキャプチャしたものです。
アンス・タカラペタ(Ans Takalapeta)県知事も駆け付け、魚拾い!
【参考ブログ】
アロール島で潜る(8) Diving di Pulau Alor & Pantar, NTT(8)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200811article_23.html
アロール島で潜る(6) Diving di Pulau Alor & Pantar, NTT(6)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200811article_20.html
アロール島で潜る(5) Diving di Pulau Alor & Pantar, NTT(5)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200811article_16.html
アロール島で潜る(4) Diving di Pulau Alor & Pantar, NTT(4)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200811article_14.html
アロール島で潜る(3) Diving di Pulau Alor & Pantar, NTT(3)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200811article_13.html
アロール島で潜る(2) Diving di Pulau Alor & Pantar, NTT(2)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200811article_12.html
アロール島で潜る(1) Diving di Pulau Alor & Pantar, NTT(1)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200811article_11.html
第7回アロール県エキスポ画像リポート(2)Expo Alor ke-VII(2)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200808article_2.html
第7回アロール県エキスポ画像リポート(1)Expo Alor ke-VII
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200808article_1.html
第7回アロール・エキスポ情報(Expo Alor ke-VII)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200807article_2.html
オスカルさんの新ブティクがオープン(Butik Oscar Lawalata Culture)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200805article_12.html
アロール県エキスポでオスカルさんのファッションショー
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200708article_5.html
第6回アロール県エキスポで日本の竹製品を紹介
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200708article_4.html
第6回アロール・エキスポ情報(Expo Alor ke-VI)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200706article_11.html
アロール県がタマンミニにパビリオンをオープン
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200704article_4.html
Mr.おじいさん&Mrs.おばあさんコンテスト
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200611article_5.html
アロール島でミスコンを主催
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200611article_4.html
世界で二番目に美しい海中公園アロール島
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200611article_3.html
第5回アロール・エキスポで日本の絣&着物を展示
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_7.html
第5回アロール・エキスポで寿司を握る
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_6.html
アロール島事典(日本語): http://alor.hp.infoseek.co.jp/
アロール県政府公式ホームページ(インドネシア語)
http://www.alorkab.go.id/
アロール県Website(英イ語): http://www.alor-island.com/
インドネシア文化宮(GBI)活動記録
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_2.html
インドネシア文化宮活動記録(インドネシア語)Kegiatan GBI
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_4.html
「じゃかるた新聞」の「アロール島探訪」シリーズ記事
2002年5月28日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(1) 海辺で紡ぐイカット 伝統手法で民力向上
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor01.html
2002年5月29日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(2) 連帯感を生む踊り 木に繋がれたブタ
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor02.html
2002年5月30日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(3) ダイバー憧れのサンゴ礁 海の男が差し出す魚と酒
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor03.html
2002年5月31日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(4) 海を渡ってきた銅鼓 今も生活に溶け込む
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor04.html
2002年6月1日 じゃかるた新聞掲載
アロール島探訪(5) 島の文化を全国に宣伝 村へ戻ろう運動を展開
http://www.jakartashimbun.com/pages/alor05.html
Alor Divers(パンタール島)
http://www.alor-divers.com/
la P’tite Kepa(ケパ島)
http://www.la-petite-kepa.com/
Dive Alor(アロール島)
http://www.divealor.com/
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