パプアニューギニア・セピック川探検ドキュメンタリー映画鑑賞会のお知らせ
インドネシア文化宮(GBI)で2007年4月、そして5月にジャカルタ、さらに9月にアチェ州の州都バンダアチェで上映したドキュメンタリー映画『二つの故国をつなぐ歌』(Lagu Menyambung Dua Tanah Air)。この映画を制作したプロデューサー吉丸昌昭氏のドキュメンタリー映画処女作となった、ニューギニア(New Guinea)の秘境セピック(Sepik)川流域の民族を記録したTVドキュメンタリー映画の上映会を開催します。
GBIのブログは昨年12月初旬から、西部ニューギニア(パプア州&西パプア州)を中心に、インドネシア東部地域で、太平洋戦争中に日本軍が造成・設定した航空基地・飛行場について『東部インドネシアの旧日本軍航空基地・Bandara Dai Nippon』と題して連載を続けています。ご承知の通り、世界第二の巨島ニューギニアは、現在は西半分がインドネシア領、そして東半分は1975年9月16日、オーストラリアの統治から脱し、独立したパプアニューギニア独立国 (Independent State of Papua New Guinea。略称PNG)です。
東経141度を境に二つの国家の版図に分かれていますが、戦時中は、両地域とも日本軍が占領し、作戦地域としては二つの軍(第18軍と第2軍)が分担していました。“ジャワの極楽、ビルマの地獄、死んでも帰れぬニューギニア”と謳われた悲惨な戦史を刻んだニューギニア。この島で約21万人の兵士・軍属が亡くなっています。東部ニューギニアの北部を西から東へ走るセピック川。この大河川の河口付近、そして北部海岸一帯も激戦地でした。東から西へ転進する多くの兵がセピック川河口付近、そしてその西部地域のジャングル、湿地帯で、戦闘で、そして飢えと熱帯病に襲われ屍と化していきました。
吉丸昌昭氏は、1977年、カメラマンとして独立2歳のPNGを訪ね、このセピック川を下流から源頭部まで遡上し、そこに暮らす人々の生活を記録しました。その映像は、当時の人気TVドキュメンタリー番組『すばらしい世界旅行』で放送されました。今回の上映会では、32年前のセピック川流域の風土・文化に触れながら、吉丸氏から当時の様子を伺いたいと思います。
【日時】 2009年3月14日(土)一回目の上映 13:00~15:00 二回目の上映:15:30~17:30(+吉丸氏のミニ講演)
2009年3月28日(土)一回目の上映 13:00~14:30 二回目の上映:15:00~16:30
【場所】 インドネシア文化宮(GBI) JR高田馬場駅より徒歩約6分(地図参照)
【参加費】 無料(但し飲み物・スナック等の差し入れは大歓迎)。尚、テレビ画面で見るDVD上映となります。
【申し込み】 氏名・住所・電話番号(携帯電話)・希望日・時間を明記してメールにて(okawa@mxg.mesh.ne.jp)
【備考】 開催中の『東ヌサトゥンガラ州のイカットとササンドゥ音楽展』も併せてお楽しみ下さい。
同展の詳細は以下のブログ参照。
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200902article_15.html
【上映3作品の内容(吉丸氏の解説から)】
タイトル:日本テレビ「すばらしい世界旅行」から 『謎のセピック川探検』三部作(30分番組)
○昭和53(1978)年12月11日放送:ワニになった少年
少年の体をワニと同じ“うろこ”模様に切り刻む成人式の儀式。
セピックの河口から200キロ離れたセピック彫刻で有名なTUNBNUM
村である。WEWAKからセスナでTINBUNKEまで行き、カヌーで
◯同年12月18日放送:頭がい骨と踊ろう死んだ偉大な長老の頭がい骨を墓から掘り出して、生前の時の元
気な姿を再現させる二次葬の儀式。ANGORAMに近い、KANGNUM村。
ほかに、ヤム芋の大きさを競う祭り。ここは、MAPRIKから車で4時間の距離にあるNERIGUM村。戦争時代、日本軍が駐留しており、旧日本兵から歌を習ったという男がいた。
◯同年12月25日放送:殺人の呪術を見る
セピック川の源流の奥地ヤプシー村にいる呪術を使う「サングマ」という呪術師は殺人もするが、病気なども治す力をもっている。
ほかに、800キロ上流に上ったイエローリバーに近いアキアプミン地域で石斧を作れる老人に会い、石斧を作る。そして、源流の滝に到達する。
昭和53(1978)年4月から10月迄、今から31年前、私は36才。当時の日本映像記録センターの代表者であり、ドキュメンタリー番組の重鎮・牛山純一氏から始めて海外取材に行かせてもらった作品。なお、牛山氏は平成7年亡くなる。
当時、日本テレビ「すばらしい世界旅行」は、日曜日の夜7時半から放送された人気番組でした。視聴率も常に30%でした。
取材は正に秘境中の秘境・パプア・ニューギニアセピック川の河口から源流迄の1200キロを約5ヶ月かけて撮影した。デイレクターの野呂進氏は牛山純一氏の秘蔵っ子のひとりである。当時、42才。体力のあるデイレクターだったが、残念な事に平成16年に亡くなった。
30数年経た今では、多分取材出来ないであろう貴重な民俗誌。
【吉丸昌昭氏プロフィール】
吉丸昌昭(Yoshimaru Masaaki)
1940年、中国済南(チーナン)生まれ。1946年、中国から引揚後、長野県安曇野へ。1964年、日本大学芸術学部映画学科撮影コース卒業。1966年、フリーランス・カメラマンとして独立。1975年、(株)日本映像記録センター入社。日本テレビの人気番組『すばらしい世界旅行』、『知られざる世界』などの番組でカメラマン。1986年、(株)ユニモトを設立、代表取締役兼チーフプロデューサー。2004年、芸術文化振興基金の助成を受け、ドキュメンタリー映画「二つの故国をつなぐ歌」を制作。近く、ドキュメンタリー映画「語らずに死ねるか! 無名の元兵士たちの」を発表。
吉丸さんは現在ドキュメンタリー映画『語らずに死ねるか! 無名の元兵士たちの声』を製作中です。来たる4月10日と12日には、東京・中野で上映会が予定されています。詳しくは以下のブログをご覧ください。
http://soushunfu.blog89.fc2.com/blog-category-332.html
吉丸さんのブログ
http://soushunfu.blog89.fc2.com/
また、吉丸氏とセピック川取材については、以下のブログを参照してください。
昭和52(1977年)年5月28日付けの手紙(続き)
http://soushunfu.blog89.fc2.com/blog-category-329.html
東ニューギニアの山また川を行く
http://soushunfu.blog89.fc2.com/blog-category-330.html
セピック川の村・Tambunumn
http://soushunfu.blog89.fc2.com/blog-category-328.html
戦地 Wewakの想い出
http://soushunfu.blog89.fc2.com/blog-category-326.html
私のドキュメンタリー映像の始めての作品
http://soushunfu.blog89.fc2.com/blog-category-305.html
セピック川流域(Perry-Castaneda Library, Map Collection, Univrsity of Texas Libraries)
ドキュメンタリー映画『二つの故国をつなぐ歌』については以下のブログ参照。
映画『二つの故国をつなぐ歌』上映会のお知らせ
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200704article_2.html
映画『二つの故国をつなぐ歌』ジャカルタ上映&報告
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200704article_6.html
アチェのサクラさん&ディーヴァちゃんの日本滞在記(2)Kenangan Sakura(2)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200805article_2.html
第25回早春賦まつりとコンサート
http://www5f.biglobe.ne.jp/~hotaka/soushunfu/sub472.htm
アチェのサクラさん&ディーヴァちゃんの日本滞在記(1)Kenangan Sakura(1)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200805article_1.html
アチェのサクラさんが来日・上映会&懇親会(Sakura Aceh ke Negeri Sakura)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200804article_1.html
アチェで日本のドキュメンタリー&アニメ映画を上映(Pemutaran Film di Aceh)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200709article_1.html
ドキュメンタリー映画『二つの故国をつなぐ歌』がアチェで上映(Film Jepang ke Aceh)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200708article_10.html
アチェのドキュメンタリー映画上映会のお知らせ
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200705article_4.html
映画『二つの故国をつなぐ歌』ジャカルタ上映&報告
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200704article_6.html
映画『二つの故国をつなぐ歌』上映会のお知らせ
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200704article_2.html
セピック芸術。精霊の家。
カヌーでセピック川を遡上。村人と吉丸さん。
セピック芸術。精霊の家。
死者復活の儀式
取材班はジャングルを進み、幾つもの支流を越えて上流を目指した。
蔓で作った吊り橋
大きな岩を焼き、石器を作る
セピック川源頭部
魔術・祈祷師
【インドネシア文化宮(BGI)の場所】東京都新宿区下落合1-6-8(TEL:03-5331-3310 or 03-3360-9171)
【インドネシア文化宮活動記録】
インドネシア文化宮活動記録(日本語・Kegiatan GBI dalam Bahasa Jepang)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_2.html
インドネシア文化宮活動記録(インドネシア語・Kegiatan GBI dalam Bahasa Indonesia)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_4.html
インドネシア文化宮2008年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2008)
インドネシア文化宮2007年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2007)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200712article_2.html
インドネシア文化宮2006年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2006)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200612article_8.html
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