インドネシア共和国の“維新”を目指すスルヤ・パロ氏。Restorasi Indonesia

2009年10月、ゴルカル(Golkar)総会で、総裁の座を元国民福祉調整相だったアブリザール・バクリ(Aburizal Bakrie)氏と争い、スルヤ氏は敗退。その翌月、“傷心”を癒すかのように、米国経由で来日。東京から紅葉の日光へ向かう車中で「ゴルカル総裁の座を得られなかったからと言われるのは心外だが、近く、社会団体を立ち上げる」と語っていた。「やがて政党になるかもしれない。それは国民が決めることだが、インドネシアが抱えているあらゆる問題を包み込むような組織を目指している」とも。
日本滞在中、“部下”である筆者は、日光旅行に加え、御徒町でのサウナにも付き合い、そして六本木の交差点近くでの、易者との会話を通訳した。「あなたは、ここ数年は厳しい状況にあるが、2014年頃から上向きに転じる」---易者の言葉にスルヤ氏は相好を崩した。2014年には総選挙、そして大統領選挙がある。「あなたは暫く日本と関係のあるプロジェクトに関与すべきだ」---易者はそうも言ったが、スルヤ氏は怪訝な表情だった。
“インドネシア維新を目指す!”----Nas Demは綱領で所期の目的をそう明記する。「改革(Reformasi)」でも「革命(Revolusi)」でもなく、“維新(Restorasi)”こそが火急の歴史的使命と強調する。日本の明治維新を強く意識した、新生インドネシアへの願望か。
Nas Demの取り巻きには、あのジョグジャカルタの王様・ハメンクブオノ10世(Hamengku Buwono X)もいる。友人スルヤ・パロは世界第4位の人口大国で、かつ世界最大のイスラム人口国インドネシア共和国を、どこへ連れて行こうとしているのか。多くを語ってくれた。理想に燃えたそれらの言葉は、熱かった。しかし、振り返ると、その内容に強烈な残滓はなかった。
もうすぐ還暦のスルヤ・パロ氏。41歳になったばかりの民主党総裁アナス・ウルバニングルム氏。インドネシアでは急激な“世代交代”が進行している。“維新”こそが“救国”なのか、それとも新たな“神話”を創ることがインドネシア共和国の近未来のあるべき姿なのか。間もなく、断食月が終わり、雨季が訪れる。






【参考ブログ】
インドネシア民主党総裁に就任したアナスさんは未来の大統領?Anas Urbaningrum
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201008article_14.html
Nasional Demokrat
http://nasionaldemokrat.org/
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