パプア州センタニ湖フェスティバル来る6月19～30日開催　FDS Papua 2012: インドネシア文化宮(GBI-Tokyo)

2012年06月06日

パプア州センタニ湖フェスティバル来る6月19～30日開催　FDS Papua 2012

第5回センタニ湖フェスティバル(FDS=Festival Danau Sentani・Lake Sentani Festival)が来る6月19～30日、パプア州の州都ジャヤプラ(Jayapura)西方郊外のセンタニ(Sentani)地区で開催される。センタニは、B737型機クラスが頻繁に離着陸する、州都ジャヤプラの空の玄関口。過去の開催期間は5日間だったが、今回は12日間に延長された。会場はこれまで通り、ジャヤプラ県東センタニ地区のカルコテ(Kawasan Wisata Kalkothe)エリア。ジャヤプラ県(Kabupaten Jayapura)の伝統文化を中心に、パプア州＆西パプア州各県からも伝統文化使節団が集まる。

インドネシア最東端のパプア州。雲の上にそびえるチクロップ（サイクロプス）山を北に望むセンタニ湖(Danau Sentani)は、樹皮絵画（KhambouwもしくはKombow）文化の中心地。かつて衣服として用いられていた樹皮。しかし、近年は絵画として新たな伝統文化となっている。時々州都ジャヤプラ港に寄港する世界周航の豪華客船。多くの乗船客がセンタニ湖に浮かぶアセイ島を訪れ、樹皮絵画に魅せられている、という。

広大なセンタニ湖。そこは、太平洋戦争の激戦地でもある。およそ3,300名の日本軍将兵・軍属らが、湖周辺地域で命を落とした。湖の西方に位置するゲニェム(Genyem)は、おおよそ7,300名の日本軍が、さらに西方の、第36師団が司令部を置いたサルミ(Sarmi)へ向かって“転進”という名の敗走行軍の出発地だった。そして内9割が、ゲニェム～サルミ間で、飢餓と病気で亡くなった。その遺骸は、戦後収集されることなく、今日まで“白骨街道”として放置されたままだ。

五回目を迎え、パプア文化の大祭としての認知は、欧米や豪州などで高まっている。この期間、多くの外国人ツーリストがやってくる。しかし、残念ながら日本からのツアーの話は聞かない。一方、ジャヤプラでは、ますます日本語学習熱が高まっている。当地で戦死した旧日本軍兵士の慰霊碑を、県予算でゲニェムに建てもした。あれから67年。幾多もの日本軍機が沈むセンタニ湖の湖上に花火が舞い、数々の舞踊が披露される。

一方、ジャヤプラで日本語を教える教師らで運営されるPJC（パプア・ジャパン・センター）では、会期中、同地を訪れる日本人観光客を無償で案内すると張り切っている。同祭に合わせて開催される全国ボーイスカウト大会も、パプア州の伝統文化を全国津々浦々に知らしめる絶好の機会と期待されている。
「日本の皆さん、是非パプアに来てください。ご案内致します」--PJCのダンチェ・ナウィパさんが来訪を呼びかけている。

センタニ湖

2011年第4回センタニ湖フェスティバルの光景（画像Copyright: Mangiwau)

マッカーサー記念碑。ホランジア（現ジャヤプラ）に上陸したマッカーサー率いる南西太平洋連合軍(SWPA)は、ここに司令部を置き、次のサルミ戦、ビアク島戦を指揮した。

日本軍占領時代のセンタニ湖周辺図

『Holland in Hollandia』(N.V.Uitgeverij W. Van Hoeve's-Gravenhage 1948)添付の、日本軍建設のセンタニ飛行場群の地図。左からホランジア飛行場、センタニ飛行場、サイクロプス（チクロップ）飛行場

センタニ湖から望むチクロップ山

州都ジャヤプラ

【関連Website】

センタニ湖祭り・日本人客を日本語で無料案内 FDS PJC sambut turis Jepang
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201205article_12.html

パプアの日本語教育頑張る Belajar Bahasa Jepang di Tanah Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201204article_15.html

パプア州センタニ湖フェスティバル来る6月19～30日開催　FDS Papua 2012
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201205article_6.html

Sentani Lake Festival 2012
http://sentanilakefestival.com/

ジャヤプラ県
http://www.jayapurakab.go.id/

【関連動画】