WTO次期事務局長ポストを窺うマリ・パンゲストゥ観光創造経済相 Mari Pangestu


当時教育文化大臣であったワルディマン・ジョジョネゴロ(Wardiman Djojonegoro)氏と共に飛行艇でアガッツにやってきた彼女は、40歳を超えたばかりだったが“乙女”の面影も強く持っていた。大都会のお嬢様が突如、大秘境に舞い降りた---そんな感じさえした。彼女とはマリ・エルカ・パンゲストゥ(Dr. Mari Elka Pangestu)さん(56歳)。華人系インドネシア人。2004~2011の7年間、彼女は貿易大臣の職を務めた。
あれから16年。あの“乙女”は、インドネシア観光創造経財相の肩書で、内幸町の日本プレスセンタービル10階の記者会見室にいた。しかも、次期WTO(世界貿易機関)事務局長の座を狙う、インドネシアのスーパーウーマンに変身していた。会見では、インドネシアの経済状況や日イ経済関係の説明に集中したが、真の狙いはWTO事務局長選に向けての海外キャンペーンの締めくくりだった。昨年9月の「JATA旅博2012」以来の来日だ。
2013年9月から4年間を任期とする次期WTO事務局長(Director General, world Trade Organization)ポストには、9ヵ国から9名が立候補している。そして去る1月に始まった選挙運動期間が、この3月末で終了する。中米や北米で選挙キャンペーンをこなし、最後の地として来日したわけだ。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)イシューに揺れる日本。WTOへの関心は薄い。それは、JNPC会員でマスコミOBの参加者が目立ち、現役記者の姿がほとんど見えなかったことからも想像できる。
しかし、それにしてもインドネシア女性の国際進出には目を見張る。例えばスリ・ムルヤニ・インドラワティ(Sri Mulyani Indrawati, Ph.D)さん(50歳)。ユドヨノ政権で2005年から財務大臣。それ以前には国家開発企画担当国務大臣および国家開発企画庁長官に就任。2010年6月以降は、世界銀行(World Bank)の専務理事。
ちなみに、インドネシア人男性で国際機関でトップの座を務めたことのある人物としては、スジャトモコ博士(Dr. Soedjatmoko Mangoendiningrat)が知られている。同氏は1980-1987、東京・渋谷区に本部がある国際連合大学(国連大学・United Nations University)の第二代学長だった。
さて、マリ・パンゲストゥさんは次期WTO事務局長の座を獲得できるのだろうか。結論は来る5月末まで待たなければいけない。『5月中旬の秋田県知事一行のジャカルタ訪問を歓迎します。でも、もしも4月10日頃に予定されている第一ラウンドの投票をクリアした場合、おそらく5月は世界中へキャンペーンに出かけますので、お会いできるかどうか...』---マリさんが言った。
再録『GBIニュース』1999.1.14 【会見】UILPEM(社会経済研究所)スリ・ムルヤニ所長
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201111article_1.html



World Trade Organization
http://www.wto.org/
Live webcasting — Press conferences with the candidates
http://gaia.world-television.com/wto/2013/dgsel_webcast_e.htm
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201303article_1.html
秋田県が経済ミッションをインドネシアへ派遣Misi Akita ke Indonesia
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