再録 【安田和彦の沖縄マタハリ物語】 沖縄からインドネシアを考える

GBIニュース(Berita GBI)は、すでに再録を終えたが、かつてのホームページの完全再録作業は終わっていない。その一つに『安田和彦の沖縄マタハリ物語』がある。1999年当時は、沖縄県名護市の名桜大学に勤務していた安田氏は、現在は京都の京都産業大学教授として、外国語学部でインドネシア語・事情を講義している。
沖縄から考えるインドネシア---をコンセプトに十数回の連載だった。以下、復刻版を掲載する。
【安田和彦の沖縄マタハリ物語】
沖縄からインドネシアを考える
インドネシアへは、高校時代に先輩で在ジャカルタ日本大使館のローカルスタッフをしている人がいたことから関心を持ち始めた。初めはいわゆる北から南への憧憬が強かったように思う。現地を初めて訪れたのは1987年のことで、同じ経験をした人も多いと思うが、ジャカルタでの初めての夜はジャラン・ジャクサのロスメンで迎え、次の朝近くのモスクのスピーカーから流れるお祈りの声で起こされた。この時は、インドネシア政府教育文化省のダルマシスワ奨学生としてパジャジャランへ行ったのだが、留学前にもすでに3年ほどインドネシア語を習っていたにもかかわらず、恥ずかしながら初めのうちは覚えている単語の数も充分ではなく思うようにコミュニケーションできなかった。それでも、覚えた単語の数も増え、いわゆる日常会話から少しづつ大丈夫なようになり、インドネシア人との会話を重ねていく中で、あることを言うのに自分は今までこの単語、語句、文を覚えて使ってきたが、どうも同じ意味の別の単語、語句、文を使った方が良さそうだ、その方が何となくぴったりするようだと感じることが多くなった。それは、今までわからなかったことが新たに身につくという非常に魅力的な喜びを伴う瞬間で、インドネシア語の世界の中で、ネイティヴのインドネシア人の言葉のセンス、言い換えれば自然なインドネシア語のセンスといったものが少しづつ身についてきた時間だった。この体験がその後の進路を決定し、今に至っている。また、言語というのはそれが使われている社会をよりよく理解するための窓であると思っているのだが、そうであるならば、インドネシア語をより深く理解することでインドネシアについてのより深い理解も得られるだろうし、インドネシアについてのより深い理解によってインドネシア語に対する理解も深まるのだろうと思う。
【プロフィール】
安田 和彦(YASUDA KAZUHIKO)
1966年1月12日、青森県北津軽郡板柳町出身。板柳町は津軽平野の南部に位置し、岩木山を望み、岩木川が流れる、りんごの町。大阪外国語大学でインドネシア語を学び始め、在学中にインドネシア・バンドゥンのパジャジャラン大学に留学、その後大阪外国語大学大学院を修了。関西の幾つかの大学で非常勤講師を勤め、3年前に来沖。現在、沖縄県名護市の名桜大学国際学部国際文化学科講師として、インドネシア語を担当。研究としての専門領域はインドネシア語学、社会的な視点から見たインドネシア語。好きなインドネシア音楽は、特にポプレル、ダンドゥット、クロンチョン。
名桜大学は1994年に開学した名護市を中心とする沖縄本島の北部市町村による公設民営の大学。国際学部中に、国際文化・経営情報・観光産業の3学科を持ち、学生数は約1600名で、その85%が沖縄県内出身である。
【参考ブログ】
“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)5 Goa Jepang Pulau Biak Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200909article_2.html
“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)4 Goa Jepang Pulau Biak Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200909article_1.html
“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)3 Goa Jepang Pulau Biak Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200908article_32.html
“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)2 Goa Jepang Pulau Biak Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200908article_31.html
“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)Goa Jepang, Pulau Biak, Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200908article_30.html
インドネシア文化宮(GBI)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/
GBIニュース
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/theme/d29d402d07.html
GBIニュース:人名録インデックス2 Indeks Berita GBI Tokoh
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_18.html
GBIニュース:人名録インデックスIndeks Berita GBI Tokoh Politik
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_17.html
GBIニュース:文化・日本記事インデックスIndeks Berita GBI ttg Budaya
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_16.html
GBIニュース:経済・社会記事インデックスIndeks Berita GBI ttg SosEko
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_15.html
GBIニュース:政治記事インデックス Indeks Berita GBI ttg Politik
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_14.html
GBIニュース2003-1999年インデックスIndeks Berita GBI 2003-1999
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_13.html
GBIニュース1998年インデックス Indeks Berita GBI thn 1998
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_12.html
インドネシア文化宮2012年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2012)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201301article_1.html
インドネシア文化宮2011年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2011)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201201article_1.html
インドネシア文化宮2010年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2010)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201101article_1.html
インドネシア文化宮(GBI)満12歳です HUT GBI ke-12 thn
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201005article_15.html
インドネシア文化宮2009年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2009)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201001article_1.html
インドネシア文化宮2008年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2008)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200901article_1.html
インドネシア文化宮2007年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2007)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200712article_2.html
インドネシア文化宮2006年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2006)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200612article_8.html
インドネシア文化宮活動記録(日本語)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_2.html
インドネシア文化宮活動記録(インドネシア語)Kegiatan GBI
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_4.html
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