再録 【安田和彦の沖縄マタハリ物語】  『うりずん』

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安田和彦の沖縄マタハリ物語 『うりずん』(1999.4.13)
15世紀、ジャワのマジャパヒト王国を訪ねた琉球人がいた。沖縄とインドネシアは500年もの交易の歴史を持つ
1880年代の那覇の光景。1880年代の守礼の門。写真は共に、1880年代にインドネシア、ニューギニア、台湾、沖縄、カムチャッカ半島 を航海したMarchesa号の航海記『Cruise of the Marchesa to Kamuschatka & New Guinea』(1889年F.H.H.Guillemardcho 著)より引用。
沖縄では、今ごろの季節を「うりずん」という。漢字で書くと「潤い染み」であり、山々の緑が潤い、海と空が青く染まり始める時期を意味する。
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初めてこの言葉を知ったのは、3年前の今頃だったが、奥が深くて良い言葉だと思った。奥が深いというのは、その言葉の奥に沖縄の山と海の情景が豊かに湛えられていて、それを聞いた人の想像力に訴え、脳裏に実に鮮やかな絵を描くような気がしたからである。

外国語とか新しい言葉を学ぶことの楽しさというのも、そんなことなのではないかとも思う。それは、新しい言葉に初めて触れた時に、その言葉の辞書に載っていない意味、その言葉が持つ歴史とかその言葉が表す風景とかいったものが、自分の中に響いてくる、大げさに言えば自分の中に新しい世界が築かれるという楽しみなのではないだろうか。

新年度を迎え、名桜大学も数多くの新入生を迎えた。外国語・インドネシア語を教える教員としては、一人でも多くの学生が自分の中に新しい世界を築いてほしいと思う。

さて、そもそも授業科目としてインドネシア語を持っている大学というのも全国的に少ないと思うのだが、なぜ、この沖縄の小さな大学がそれをしているのか。それは、かつて沖縄が琉球王国だった時代、日本、中国、韓国、東南アジアとほぼ等距離に位置する地理的条件を生かし、当時の明を中心とする朝貢貿易のネットワークに参加し、東南アジア地域でも広く交易を行い、マジャパヒト、パジャジャラン、パレンバンなどとも関係を持っていたからであり、沖縄とインドネシアが500年以上の交流の歴史を共有しているからである。

当時を知るための資料としては、ポルトガルが初めて中国に派遣した大使であるトメ・ピレスが書いた「東方諸国記」などが著名だが、ここ沖縄には、「歴代宝案」というものがある。これは、琉球王国が自らの外交文書を編集したもので、その第一集は1697年に作成されたのだが、その後の廃藩置県、沖縄戦などにより原本は不明、もしくは散逸となっている。しかし、残っている写本等から、校訂本、さらに一般への普及を目的とした訳注本が編集、刊行されているのである。

これらを一読して思うのは、当時の琉球の人々が海を渡ってインドネシアへ着いたとき、そこで何を見、何を聞き、何を感じたのだろうということである。例えば、1430年に初めて琉球からの使者がマジャパヒトに行くのだが、見知らぬ地へどんな思いを抱いて旅立ったのか、入港した東ジャワ北岸の港(具体的には、トゥバン、グレシク、スラバヤのいずれかと考えられている。)はどんな様子だったのか、そこにいる人々はどんな言葉を話し、どんなところに住み、どんなものを食べ飲んでいたのか、思いを巡らされる。

これから、沖縄に来て出会うことができた歴史の情景の中を、ゆっくりと時間をかけて歩いてみたいと思う。沖縄から見たインドネシア、沖縄から見たアジア、実に魅力的な響きである。


【参考ブログ】

再録 【安田和彦の沖縄マタハリ物語】 マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨ
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_22.html

再録 【安田和彦の沖縄マタハリ物語】 沖縄からインドネシアを考える
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_21.html

“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)5 Goa Jepang Pulau Biak Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200909article_2.html

“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)4 Goa Jepang Pulau Biak Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200909article_1.html

“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)3 Goa Jepang Pulau Biak Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200908article_32.html

“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)2 Goa Jepang Pulau Biak Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200908article_31.html

“玉砕の”ビアク島訪問記(By 安田和彦)Goa Jepang, Pulau Biak, Papua
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200908article_30.html

インドネシア文化宮(GBI)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/

GBIニュース
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GBIニュース:人名録インデックス2 Indeks Berita GBI Tokoh
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GBIニュース:文化・日本記事インデックスIndeks Berita GBI ttg Budaya
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201306article_16.html

GBIニュース:経済・社会記事インデックスIndeks Berita GBI ttg SosEko
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GBIニュース:政治記事インデックス Indeks Berita GBI ttg Politik
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GBIニュース2003-1999年インデックスIndeks Berita GBI 2003-1999
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インドネシア文化宮2012年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2012)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201301article_1.html

インドネシア文化宮2011年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2011)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201201article_1.html

インドネシア文化宮2010年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2010)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201101article_1.html

インドネシア文化宮(GBI)満12歳です HUT GBI ke-12 thn
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201005article_15.html

インドネシア文化宮2009年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2009)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201001article_1.html

インドネシア文化宮2008年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2008)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200901article_1.html

インドネシア文化宮2007年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2007)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200712article_2.html

インドネシア文化宮2006年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2006)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200612article_8.html

インドネシア文化宮活動記録(日本語)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_2.html

インドネシア文化宮活動記録(インドネシア語)Kegiatan GBI
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200610article_4.html

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