再録:10年前のジャカルタ北朝鮮レストラン(2)

東南アジア地域では、タイとカンボジアに各二店、そしてラオスとベトナムさらにインドネシアに各一店の計七点の“国営レストラン”を経営する朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)。過去二年ほどで、立派な国際的外食産業に急成長した。その勢いが衰える気配はない。やがて世界的リゾート地であるバリ島にもオープンするかもしれない。
選び抜かれた美女、そして抜群の歌唱&舞踊能力に魅せられる客。「実に素朴で清純で、甲斐甲斐しいまでの親切な姿勢。これでは惚れてしまうかも」----そんな声が客人の間から聞こえてくるようだ。特に韓国人ビジネスマンの入れ込み具合は、もはや半端ではない。インドネシアには邦人のおよそ四倍の韓国人が暮らしているが、今や、夜の宴会、接待に欠かすことのできない場が、チルボサン・レストランと言っても過言ではない。
これらのレストランは単に外貨獲得の場として展開されているのか。それとも別のミッションも有しているのか。地元メディア人の中には、「マネーロンダリングに利用している」とか、「海外経済拠点を構築する傍ら、本国で必要とする物資確保のための輸入業務や、対外輸出の橋頭堡として利用している」等々、色々な見解がある。
『まだ一年間しかいないので、インドネシア語はまだまだです。二年間いたら本国に帰るでしょう』と、鶯色のチマチョゴリがよく似合うクオン・ジン・ヒェンさん(22歳)。『今はお仕事が第一番。好きな男性のタイプ?そうねぇ。背の高さは180cm以上で、少し太っていて、そしてハンサムな男性』と、回答にもディプロマティックな配慮が。
チルボサン・レストランでは、北朝鮮産の漢方薬(主に精力剤)や音楽&舞踊VCDなども販売している。戦争アニメVCDシリーズも。さらに、“金貨”風のメダルが数点。もちろん、輸出クオリティの特産焼酎も各種ある。あるアニメVCDシリーズは1巻が売り切れで、残りは2-5巻。『1巻は見なくても十分楽しめますョ!』と、売り込みに懸命。入荷の予定はあるのか、と尋ねると『まずあり得ない』と、素直な回答。かもね!
ジャカルタの夜。革命歌、そして南北朝鮮の古典的流行歌が流れる中、“南北友好の夜”が深夜まで続く。
上の画像はクオン・ジン・ヒェンさん(22歳)



【参考ブログ】
再録:10年前のジャカルタ北朝鮮レストラン(1)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/201702article_25.html
ジャカルタの北朝鮮レストラン(1) Restoran Koruta di Jakarta
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200709article_6.html
ジャカルタの北朝鮮レストラン(2) Restoran Koruta di Jakarta(2)
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200709article_7.html
韓国&インドネシア
https://gbitokyo.seesaa.net/article/200611article_6.html
この記事へのコメント